本文へスキップ

コスモス会は、五井先生提唱の「世界平和の祈り」を実践しているグループです


世界人類が平和でありますように

 いただき直した命   K・K



 二月十七日の早朝、目覚めと共に今までにない激しい頭痛と吐き気、めまい、耳鳴りに襲われました。私には片頭痛(へんずつう)という持病がありました。子供の頃から頭痛に悩まされ、何度も検査を受けてきました。
 しかし、異常はみつからず、結局“片頭痛持ち”という診断で、頭痛が起こったら鎮痛剤を飲んで痛みを抑えるしかないと言われ、今までそれで凌いできました。
 今回の頭痛もまたそれと同じだと思い、鎮痛剤を飲んで横になっていました。が、全く良くならず、結局丸一日苦しんで、翌日近くの内科に行くと脳外科を紹介され、検査をしたら脳梗塞(のうこうそく)でした。
 しかし私は四十歳。この年齢で一般的な脳梗塞は考えにくく、色々な検査をしたところ、肺に大きな疾患が見つかり、肺のカテーテル手術を受けました。只、処置する箇所が多すぎて、手術は二回に分けて行われることになりました。カテーテル手術は外科的手術に比べ体への負担が少なく、回復も早いので、術後二日で退院の許可が下りました。
 一旦退院して法話会に参加させていただき、元海先生にご挨拶に伺い、先生のお顔を拝見しただけで、苦痛だった検査や手術のことも吹き飛んでしまいました。そして二回目の手術日をお伝えし、その日もお祈りしていただけるとお聞きし、大船に乗ったような気持ちになり、不安は一気になくなりました。
 「その折、どんな想いが出てきても『世界平和の祈り』を祈り続けなさい。それが健康になる近道ですから」と、先生は仰しゃいました。そして入院、再々の検査、手術。
 私はひたすら祈り続けました。本当に様々な想いが出てきました。今までの自分の人生を見つめ直して、たくさんのことに気付きました。色んな人に迷惑を掛けてきたこと、間違った考えを通してきたことなど、反省ばかりの日々でした。メンバーの方がコピーして下さった五井先生のご著書『空即是色 般若心経の世界』を朝も夜も穴が開くほど読ませていただき、改めてこのお祈りの素晴らしさを知りました。
 「ねても起きても、便所へ行っても、顔を洗っていても、電車の中でも、どこでもいいから、いつも声を出して“世界人類が平和でありますように”とやらなくていいから、心の中に、いっぱいしみこむように、世界平和の祈りをやっていることです。
 やっていると、(中略)たとえば大怪我をして三月(みつき)も四月(よつき)も入院しなければならないようなものが、かすり傷で治ってしまう。そのようになるのです。だから、世界平和の祈りにすべてを切りかえるのです」という文章があります。
 私の場合も、この病気の後遺症で全体の約三分の一の視野が欠けてしまいました。少し不自由ではありますが、この祈りの道に繋がっていなかったら命を落としていたものが、お祈りによって浄められ、視野障害という最も小さい形にしてお救いいただいたんだと実感出来、家族、友人、法友に再び元気に会えたことを心から感謝しています。
 その後、元海先生に退院のご報告をした時に、「以前のあなたの波とは全く違いますね。随分すっきりして良かったですね。少し痛い思いをされたと思いますが……」と、包み込むように温かく労って下さいました。
 高校時代の友人も、“しんどい思いをしたのに、そんなに前向きになれるなんてすごい。目が不自由になったのに感謝できるなんてすごいね!”と、私の変化に驚いていました。
 この貴重な体験のおかげで、私の生き方、考え方が大きく変わりました。生まれ変わった気持ちで、いただき直した命を大切にしていきたいと思います。


(風韻誌2011年7月号収録)