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コスモス会は、五井先生提唱の「世界平和の祈り」を実践しているグループです


世界人類が平和でありますように

 久遠の平安の道を生きよう   尾崎元海



 晩秋から初冬に入る季節になると、自然界の様相は変わり、紅葉(もみじ)を始め落葉樹の葉が散ってゆく。四季の変化というものは心を新たにしてくれるもので、日本という国に生まれた幸せが沁み沁み(しみじみ)と実感されてくる。秋を白秋(はくしゅう)と言うが、四季を色で喩(たと)えると春は薄紅色で、初春はとなると黄緑であろうか。夏となると橙(だいだい)色で、初夏は濃い緑色に感じる。秋の白というのは十月から十一月中旬頃で、初秋となると淡い紫色のように思われてくる。冬はどうだろうか。一般には寒い時期であるので地味な色を想像しがちだが、私には、万物が生命力を蓄える乳白色と黄金色が混ざったかのような、神秘な色の響きが伝わってくる。
 人間の一生を春夏秋冬と見て、二十歳までを春、二十一歳から四十歳までを夏、四十一歳から六十歳までを秋、六十一歳から後を冬の季節と言うそうである。それに当てはめると、六十六歳の私は、冬の季節に入って少し歩み出した頃であろうか。人生の冬の時代は、やがてくる新しい旅立ちに備えての、魂の練磨の時である。若い世代の人達も、いつかその年代を迎えることを心に入れながら、今をどう生きるか、自分にとって大切な事柄をどう身に付けていくかを真剣に考えて、いのちを燃やしていただきたい。
 人生というのは、長いようで短く、又、短いようで長いと感じるかも知れないが、自己の生命を神様と信じ感謝し、守護の神霊に感謝を忘れず「世界平和の祈り」を祈り続ける人は、肉体生命の長短に関係なく久遠の神の栄光を生きることになる。目まぐるしい現在の社会にあって、それらの動きに振り回されることなく、しかも生命の全能力を今の中に現し続けるのでなければ、信仰者の値打ちはない。一神(いっしん)(大神様)の大み心に全ての想いを統(す)べること、即ち、統一して物事に対処してゆくことを体覚して生きていかなければならない。
 「世界……」と祈ろうとした瞬間に、神様と一つになっているという「世界平和の祈り」の根本を心深く受け留めていくことが最大のポイントである。新しい年を迎えるに当たって、自己の生きる姿勢を鮮明にしていこう。「世界人類が平和でありますように」の大愛、大智慧・大能力を確信して、颯爽(さっそう)たる気風で日々を力強く歩んでいかれることを、読者の皆さんの守護の神霊に祈念するものである。

  三メートルの茎の先端で七つの大輪の花を咲かすダリアの花を()でつつ
   仁川・玄妙庵にて


(風韻誌2010年1月号掲載)


   元海先生法話

  1. 講話集
  2. 巻頭言
  3. コスモス問答
  4. 音声